頼りにならない先輩

友人(ここの編集長)からクロスゲートを誘われたのですが
最初以外は放任というような形になり
1人で土の洞窟で黙々とレベル上げ
道行く人に話しかけようとも怖くて無理
という初心者あるあるの中でプレイし続け

 初心者の私がゲーム慣れしたならばー
 誰かを助けるようなMMOプレイをするんだー

とか思いつつも、

 結局は誰にも頼れない

そんな現実を突きつけられることになりました。

転機はギルド渡りをあちこち始めたことで
交友範囲が劇的に広がることになったのですが
それでもまだ慣れていない頃は、人に頼りづらく、
その中で一番頼った人は、私と同じくらい
頼りにならないrikaさんという人でした。

あの人は同じゲーム内劇団の出身の人で
私が劇団に入って台本を書いたり
メインキャストになったりしていると
「すごく優秀な人が入った!」と映っていた
…とのことなのですが、私もMMOだとひよっこ中のひよっこ。

後には、その才能とカリスマ性を発揮させて
ブログの帝王、コンチェルトゲートのトッププレイヤーに輝くわけですが
当時はネットを繋いだ2日後くらいにクロスゲートを始め、
ネット初心者でありMMO初心者というデビュー直後の状態。
ちょうど同じくらいにヘッポコな人を探していて
一番同期くらいで手頃だったのがあの人だったというオチです。

 一緒に脱見習いクエストに行こうね!絶対に行こうね!ねっ!ねっ!

という勢いで強引に約束を取り付けつつも、
あちらは既にほかの人とクリアしにいっていたので
他の人と結局クリアしに行くことになったり、
___あの人、ゲーム内で恋愛してたけど、
ゲーム内の彼氏がフタマタしてたから
キャラクターを作り直してきたってさ
との話も入ってきたりと、なかなか多難なゲーム生活を送っていたそうで。

rikaさんのキャラクターのネーミングは、
リカちゃん人形からとったのかな?と思っていたのですが、
自分が産まれたときの実名候補だった話を憶えていて
候補漏れだった名前の方をゲームのキャラクターにつけたとのこと。
彼氏に誘われてゲームを始めたものの、
彼氏がゲームを辞めても、彼氏と恋愛関係を解消することになっても
あの人はゲームを続けることになって
気付いたらまた新しい彼氏ができていた人でもありました。

私だとゲーム内の恋愛については、リアルの方が情報量が多いので
どうしても薄っぺらくみえるタイプとなっており、
例えば、本格的な記者がMMOに触ってみると
「どうしてMMOにハマるのかの理由が実感できない。
 リアル世界の方が充実してて面白いのでは?」
という感覚が払拭できず、それらしい記事が書けない現象があって
私の場合だとゲームに関しては
一生のテーマとして携われるような人間なものの、
一方の、ゲーム内恋愛に関しては上記のソレの感覚です。

クロスゲートを始めた時期は私もネット初心者だったわけですが、
rikaさんはそれを上回る初心者っぷりで、
初心者だった頃、ゲーム内の操作がわからなかったので、
ゲーム内の見知らぬ人に自分の電話番号を
チャット入力したとかいうエピソードは鮮烈に憶えており、
rikaさんが読書をしていると聞いて、
何の本を読んでいるのか聞いてみると
ファッション雑誌との返答がくる人でもあり、
誕生日が到来するとブランド物のバッグがほしいと
貧乏学生の私にたかってくるとかの冗談(多分)も憶えています。

私も大学4年生にさしかかり就職活動をしていると
父がリアルで倒れることになってしまい
そちらの対応で大変になっているときに
親身に話を聞いてくれたのがrikaさんとなっていて
どこまでも頼りない先輩だったのですが
結局のところ、一番大変だった時期に
心の頼りになってくれた人があの人だった
というのが運命のよく分からないところでして。

最初は、

 初心者の私がゲーム慣れしたならば
 誰かを助けるようなMMOプレイをするんだ

とか

 結局は誰にも頼れない

とか思っていたら、
助けてくれる人と出会っていました。

後々コンチェルトゲートの方にも顔を出してくれることになり
再び会うと結婚していて子どもも何人かいる話が。
あの人には幸せになってほしいので
男性である私が出張ると良くないだろうということで
どうしても他所他所しくしていたのですが、

ふとクロスゲート時代に、実名を尋ねられたことがあって
お世話になっていることもあって
下の名前くらいならいいかなと
私の実名を伝えたことがありました。

そのとき実名を尋ねられた理由については
私から深く触れることはなかったのですが、
ひょっとすると____

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