鉤鎌槍が片鎌の理由

今回は「鉤鎌槍(こんれんとう)」の話について。
konreitou
元は中国の槍です。
鉤鎌槍 | 武器図書館
前作には存在せず今作で初登場したとうっかり書きそうになったのですが、NPC槍のRank6に「片鎌槍」が存在したことが判明。
一見別物の槍のように見えますが表現(発祥)が異なるだけで同種の槍に位置します。
他にも、マルドギール(前作のR4上位槍。インドで使われる)も構造上一緒です。
マルド・ギール mard geer | 武器図書館
Bodenwerder カーボネック城 長柄武器

まっすぐな刀身の素槍とは違い、鎌(鉤)がついた槍が鉤鎌槍。
鎌がついたことによって攻撃範囲が広がり、防御面では鎌で刃を受け止めたり、槍を刺した時抜きやすくなるといった特徴が挙げられます。
グラフィック上では刃が下向きになっていますが、引いて斬ることを念頭に入れていた他に、乗馬している武将を引きずり落とすためにも用いられます。

戦では大量生産しやすい素槍の方が好まれ、時代が下ると横手(片鎌槍だと鎌の部分)が取り外し可能な鍵槍が主流になります。
鉤鎌槍(片鎌槍)はコストがかかる都合上、武将が持つ高級品に属する槍でした。

片鎌槍

国内において、鉤鎌槍より片鎌槍の方が有名です。
片鎌槍の知名度を上げた人物が加藤清正 – Wikipedia
元は両鎌槍だったものが、虎退治時に片方の鎌を噛み折られ片鎌槍になったという逸話があります。
盛岡山車の演題 加藤清正(虎加藤・地震加藤)
過去の熊本県立美術館に展示されたものに、加藤清正が捕獲した「虎の顎骨」も展示されたことがありました。
熊本城築城400年記念 激動の三代展(*pdf注意)

しかし、実在している加藤清正の片鎌槍には折れた跡が無いという話です。
日本人教養講座「日本刀」
加藤清正は、宝蔵院流槍術の名手で、どうやら元から片鎌槍の使い手だったようです。
当時は両鎌槍や十文字槍よりも片鎌槍の方が実用面で普及していました。
片鎌は両鎌とくらべバランスが取りづらい面がある一方、斬る動作や突く動作では両鎌より適度に深く刺せるメリットがあります。
虎狩りについては、「虎の肉」目当てで鉄砲で退治したとの指摘があります。
【完全保存版】戦国ものしり百科

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