逃げる勇者達

前作において「逃げる(Escape)」は非常に重要なシステムでした。

前作の逃亡状況

後半のクエストはとにかく時間がかかる上に、まともに戦っても経験値や報酬がない敵がいたので、自然と逃げざるを得ません。
有名どころだと、風穴のランダムボスや、シェラウェッソの塔のダースニワトリ戦。
風穴のランダムボスを倒すと「ゴブリン要塞」に入るために必要な「怨恨の耳飾」が手に入ったり、ダースニワトリを倒すとプロフィールカード(捕獲は不可能)が手に入る処置が施されていたものの、稼ぎでは逃げることが大前提になっていました。
95階クラスならダースニワトリ戦でも通常通り戦う方が多いくらいだった記憶がありますが、逆に地震で返り討ちにあう(全滅させられる)PTも多くいました。

PUK1クエストだと、呪われし者の洞窟で出てくるヒドラ系や、解放クエで出てくる死神系も遭遇したら逃げました。
どちらも「召喚」が非常に厄介な相手で、強ボス級の雑魚モンスターを次々と召喚するため逃げないと全滅に追い込まれる可能性があります。
樹海の道中も召喚されるので逃げて進むのがデフォルトになっており、中には「回線切り」を利用して無理矢理逃亡する人もいました。
実は「回線切り」の逃げ行為は主流といってもいいくらいだったのですが、途中で規制が入り、連続して回線切りになるとログインポイントへ戻される処置が施されたことがあります。

運営側も逃げやすい工夫を施したことがあり、

  • 不意打ちをすると必ず逃げられる
  • 3度逃げるとほぼ完全に逃げきれる

という更新が追加されたことがあったため、

  • 不意打ちを発生しやすくために「ふくろうハット」を装備する
  • 単機で2回行動で全力で逃げる

といったプレイヤーならではの工夫もしました。
私だと、ライドに乗ってHPをとにかく高くして打撃を受けても大丈夫なようにしたり、2回行動目にガード(聖なる盾)を使用して逃げることもありました。

そんな中で、驚愕(?)といえるスキルが登場します。
スキルの販売場所はノッカーランドの奥地で、スキル名は「虚死為上」といいます。
説明が「逃亡に失敗した場合、死んだフリをして戦闘から離脱する」というもの。
例えば、逃亡に失敗すると「虚死為上」の判定があり、「虚死為上」が発動するとペットを倒したように気絶して消失します。
つまり、死んだフリをしてその戦闘を免れた(または逃亡に成功した)というとてもユニークなスキルでした。
スキルとしてはPassiveスキル扱いで、逃亡してもスキル経験値が入るという親切設計。
本来は生産系で伸びるスキルですが、戦闘系でも逃げなければならないシーンが存在する(封印一人ならLv1がでるまで逃げる)ので低Rankでも覚えておくと地味に役に立つのがポイント。
また、戦う生産系だとスキルスロットの制限が存在しますが、逃げなければいけないシーンでは戦闘系よりも優遇されることになります。
採取系ならば、高Lvの敵がでてくるところだと生命の危機からの脱出機会が増えることになりました。
PochiLongさんには掲載されていない(更新停止後に登場したスキル)なので、あまり語られることはありませんが、かなりの良スキルだったと言っていいでしょう。

当然、プレイヤーからはあまり負担のかからない程度に戦力を落とした方がいいと主張する人もいました。
RPGとはロールプレイングゲームなのだから、誰も逃げたいとは思っていない、要するに逃げるという行為がRPGとしてふさわしくないということです。

しかし、RPGの原点の1つに、大半逃げなら進んでいくファンタジーが存在しています。
「指輪物語」です。

RPGやファンタジーにおいて原点となる「指輪物語」は否定できない存在なので、ある種ファンタジーRPGでは逃げることに寛容になっているといっていいでしょう。

今作の逃亡状況

フィールド上で不必要に高Lvなモンスターが登場するので、逃げて進むことが必要になっています。
逃亡中にAB(AD)判定が存在するので、前列に(ガードした)ペットをたたせて、後列でプレイヤーがEscapeします。
この逃亡の仕方がわからない初心者プレイヤーだと、逃亡中にABされてしまい気絶するしかなくなっています。
封印中に逃亡するLv1ヒヨコをABする、といった具合ならまだ納得できるのですが、プレイヤーの逃亡中にAB(AD)は発生させない方が親切設計になるように思えるのです。

初心者でも戦闘中に「ログインゲートへ」を使えば、最小限の被害にしてログインゲートで戻ることができます。
戦闘中の「ログアウト」だと戦闘中その場でABが発生する可能性がある逃亡をする処置が行われてしまうので、通常で逃げるよりも危険度が増加する恐れがありますが、こちらは「戦闘 → ログアウト → その場にログイン → 結果的に戦闘回避」を避けるために必要な処置といえるでしょう。

現在だとHelp狩りが主流で、例えばドクミストの洞窟ならば単機でバックアタックをとられても「ログインゲートへ」を押せば被害なくファンブルグ(セラルカ)へ戻ることができます。
つまり、Help狩りでは実質バックアタックが無効化されるような状態なのです。
そのような調子なので、前作のようにランダムエンカウントボスが出てきても「ログインゲートへ」で安々と逃げられることが予想されます。

今作だと「逃げられない敵」が存在し、シンボル戦で回線切れがおきると大きな不利益を被る問題が出ています。
キラーハナアルキの問題点
逃亡のテクニックとして、「赤ゲージが消えて(コマンド待機状態)から、Escapeボタンを押す」と早く逃げれる(高速逃げ)の現象も確認済み。
コマンド待機状態から逃亡すると、通常より早く逃げられる現象

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逃げる勇者達 への2件のフィードバック

  1. うさぎ紳士 のコメント:

    昔、剣士キャラに虚死為上をいれてた時期がありました。
    風穴のランダムボスで私ともう一人が逃げ遅れたのですが、私の虚死為上が発動して一人取り残された人が風穴ボスにぼこぼこにされるといったこともありましたね(=▽=;
    なかなか難しいスキルで、PTだと一人だけ逃げるのが得意なだけでもそれはそれで問題が出てくるといったシブい一面に関しても「良スキル」だったと思っています。

  2. おそら高級長靴店 のコメント:

    逃げる事に失敗した時に虚死が発動すると、とても嬉しいですね。
    スキルレベルが低いせいか、発動率は低いですが、これが”虚死Lv10”とかになったら、どんなに凄いことになってしまうんだろうと考えただけでもワクワクしますが、バックアタックを受けている時はやっぱりどうしようもないんでしょうね。

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