鑑定士の原型

前作の鑑定士は、ほぼ鑑定のスキルによって特色付けられることになります。

鑑定可能なRank差によって鑑定できる内容が異なり、活動の幅が大きく変化することになりました。

鑑定士の特徴

  • 装備品はR3(R4)まで
  • 鑑定がR10まで
  • 調理、調合、応急手当、治療がR4(R5)まで

SBP -Symphony Blue in PochiLong- 職業 鑑定士

生産系というだけあって、あまり戦闘スキルは伸びません。
しかし、後述しますが「ある程度」戦闘に狩り出される場面も想定される状態になっています。

鑑定の内容

鑑定士という職業は、ほぼ鑑定スキルそのもので特色付けが施されています。
例えばR3鑑定スキルだとR1~3鑑定物しか鑑定できず、R4以上は鑑定することができません。
そのため、それ以上のRankとなると他に育っている鑑定士さんに頼むしかないといった具合になります。
(※このような事情から、未鑑定品がR3~R5に集中せざるを得ない構造にもなり、修理工・探偵・仙人鑑定でもやっていける元になっていました)
クロスゲートの知恵袋 未鑑定品
クロスゲートの知恵袋 宝箱

以下、代表的な鑑定ランク別による品物の紹介。

R1 ズズキ鑑定。モンスターコインも鑑定可能。
R2 ガラクタ鑑定。
R3 アルカディア古銭、バンドレロのプロフィールカード、海賊産の一部宝箱。ホテルクエストの「失魂の首飾り」鑑定可。
R4 特殊素材(ベラドンナの血、フレイムスピリッツ)鑑定、海賊産の一部宝箱鑑定可。
R5 大半のプロフィールカードやランダムダンジョン宝箱産の品物も鑑定可能になる。海賊産の宝箱鑑定全て可。設計図が鑑定可能。
R6 炎の洞窟の宝石を一部鑑定可能。ほとんどのプロフィールカードやランダムダンジョン産の宝箱の鑑定が可能に。特殊素材(マイティナイト)鑑定可。
R7 炎の洞窟の宝石を一部鑑定可能。特殊素材(ランドクロウラーの甲殻、マンドレイクの表皮)鑑定可。
R8 炎の洞窟の宝石を全て鑑定可能。タワシクエスト産の宝石一部鑑定可。
R9 タワシクエスト産の宝石一部鑑定可。
R10 化石?(太古の化石)、生き物?(ツチノコ)、くだもの?(謎の皮)鑑定可能。タワシクエスト産の宝石鑑定を全て可能。
R11のRe鑑定 クリスタルの残骸の鑑定可能。

  • R1~R2の世界

露店で鑑定をすることにおいては、R3鑑定があれば活躍できることになります。
逆に言うとR3になるまでは鑑定スキルはあまり使い物になりません。
R1やR2未鑑定物も限られてくるので通常の手段だとスキル上げにも一苦労することになります。

そこで用いられたのが「スズキ鑑定」です。

スズキはクエスト進行中に手に入るクエストアイテム。
「魚?」を鑑定すると「R1 スズキ」になるので、鑑定したらスズキを捨てて再度「魚?(スズキ)」の取得をし、鑑定を繰り返します。
この手段の場合だと利益が出る作業ではないので、R3~R4鑑定できるようになるまでの応急処置となります。

PUK2の世界だと「ガラクタ鑑定」が有名になりました。
こちらもNPCからを入手可能で大半がR2なので初期の段階から鑑定をし続けることができます。
スズキ鑑定と異なる点としては、NPC売りでそこそこ利益が出るという品物です。
そういう意味ではバランスが壊れた構造なのですが、「蟹壺祭り」への批判が後々のゲームバランスに悪影響を及ぼし続けることになりました。
さすがに海外では修正されているようで、一回に手に入るガラクタが1つに抑えされているようです。
修理屋の日常 スライム怨霊設計図?

モンスターコインもR1で鑑定できます。
前作のモンスターコインの入手法としては、PUK3の空の地域にいる敵から盗む(倒す)か、レレプから手に入れるかの何れかになりました。
レレプ倒しについては後半になって登場した方法なので、初期のモンスターコインの収集手段としてはPUK3の空の地域から盗むことが一番となります。
その場合、狙いとしては「モンスターコイン10M」となるのですが、これが未鑑定で出てきます。
そのため、盗みのスキルを使える盗賊(非優遇だと兵士、忍者)自らがスキルスロットを2個潰してR1鑑定を入れる場面もしばしばありました。
戦闘系なのでR1から伸びないのですが、大量に収集しようと考えるとモンスターコインをまとめる手段は必要不可欠となり、止むに止まれず伸びない鑑定スキルをいれていたといったところ。

  • R3~R5の世界

R3まで鑑定できるようになると、取り扱える品物が一挙に増えます。
ファンブルグ周辺だと「バンドレロ」のプロフィールカードを鑑定できるようになり、
ファンブルグ周辺のキューブ拾いから地味に金策の手段が増えることになります。

ランダムダンジョンに配置されている宝箱を開けると「アルカディア古銭」が出てくることがあります。

これを集めると様々な品物と交換してくれるのですが、たいていは未鑑定の状態で手に入ります。
古銭をまとめるためには鑑定が必須となるため持ち込まれる機会が多く、実際鑑定露店をしていると大量に持ち込まれることが多い品物でした。
クロスゲートの知恵袋 古銭交換

R3鑑定可能となることで一番大きく感じた人として、ホテルクエストの「失魂の首飾り」を鑑定できるようになったことを挙げる人もいると思います。
ホテル地下(「失魂の首飾り」取り) – CGT付録
CG Island -XG(クロスゲート)コンテンツ- クエスト ホテルの幽霊
いわゆる「ホテルループ」や「失魂ループ」として有名で、ファンブルグ西地区のホテル地下を通った人も多いくらいに代表的な金策の手段の1つでした。
ボスを倒しクエストをこなすと「ネックレス?」が3つ手に入るのですが、これが未鑑定品で、鑑定してNPCに売却すると500G手に入ります。
つまりクエストをクリアすると1PTで1200G(解呪士ディゼヌで1個100G減額)手に入る換算になり、そのとき手に入る良質な「失魂の首飾り」(最大ATK+5,DEF+5,AGL+5)をプレイヤーに販売したり本気装備として残しておいたりもしました。

R3~R5だと「海賊産の宝箱」を鑑定することができ、その宝箱を開けるとまた未鑑定物が出てくることがあるので、1つで2度おいしいスキル経験値の仕様となります。
「海賊産の宝箱」は、アリュートの海賊クエストを攻略しクエストアイテムを用いて「海賊の島」で採取していると勝手に手に入る品物です。
採取している側としては目的外の品物が手に入るので、採取側としてはかなりの不評となります。
海賊島内で宝箱を捨てることも検討に入るのですが、小さな島なので宝箱で埋めてしまいかねません。
そこでとられた手段が、モンスターメールを使って宝箱を本土に送り、宝箱を無人販売で販売するといったことが日常的な光景でした。
この未鑑定品の山はスキル上げをしている鑑定士さんには好評で、海賊の島によって鑑定士さんが恩恵を受けるという1つの副産物となっています。

R5鑑定ができるようになると「設計図」が鑑定可能になります。

設計図は、ペットを改造するために必要なアイテムで、物によっては期間限定で供給されるものが異なる場合もありました。
そのため高価な品物となることが多く、設計図が新たに供給されると鑑定士さんが忙しくなるという構図もあったのです。
また「設計図」だと一時期「すり替え」が問題になることがありました。
前作だとアイテムを鑑定士さんに直接渡さないといけないため、未鑑定品のままだと他の設計図の品物と取り替えられても分からない場合があります。
そのため、未鑑定品に「スタンプ」を押して自分の名称をつけてから渡すといった構造的な問題も孕んでいました。
また、手元にトレード不可能な未鑑定品が手に入ることもあり、その場合だと鑑定士以外はNPC鑑定を利用しないと鑑定できないといったこともしばしばありました。
そのような事情から、今作だとトレードせずとも鑑定できるような仕組みが構築されることになります。

  • R6~8の世界

鑑定士としては、R6くらいになると大半のものが鑑定できるようになっているのですが、炎の洞窟のR8宝石を鑑定できるようになれば一人前の感が強くなります。
クロスゲートにおいて、宝石は戦力強化のために必要な品物でした。
杖職の場合だと杖とローブさえあれば事足りるのですが、物理職となるとそうはいきません。
攻撃力を上げるために武器にアクアマリン(スターベリル)やエメラルドを混ぜたり、防具にアメジストを入れATKを強化して戦うことが求められます。
また、本気装備向けの宝石の確保となると、アメジストの他に回避率が上昇するソグディナイトも価値を帯びてきます。
そのため、高Rankの宝石が手に入る「炎の洞窟」通いが、募集として人気のクエストになっていました。

炎の洞窟 – CGT付録
CG Island -XG(クロスゲート)コンテンツ- クエスト 炎の試練
そのためR6~R8の未鑑定の宝石が手に入ることから、その鑑定先としてR6~R8鑑定が求められることになるというわけです。

  • R8~R10(ReR11)の世界

PUK3のクエストで、タワシクエストが登場することになります。

星詠みクエ – CGT付録
このときR8~R10の宝石の実鑑定の宝石が手に入るため、いわば炎の洞窟の上位のクエストに当たります。
ファンブルグ側でR10採取を繰り返していると、ときたま「化石?(太古の化石)」「生き物?(ツチノコ)」「くだもの?(謎の皮)」が手に入ります。
用途はほとんどなかったアイテムなのですが、宝石実験のとき装置の修理として用いられることがありました。
宝石実験 – CGT付録
ただし、こちらだと未鑑定でも修理品として使えたように記憶しているので、鑑定するときはネタとして用いられるといった具合。

R11アイテムも存在し、ReBirth鑑定限定で鑑定できる品物が存在します。
それがブラックノア内で手に入った「クリスタルの残骸」です。
ここまで来ると、鑑定士を極めた人でないとたどり着けない鑑定品となります。

レート

NPCに鑑定を頼むと、次のような価格体系となります。

NPC鑑定代金(R×R×R×30G)
R1 30
R2 240
R3 810
R4 1,920
R5 3,750
R6 6,480
R7 10,290
R8 15,360
R9 21,870
R10 30,000

この価格体系なのですが、R1だと30Gで鑑定することができます。
鑑定を始めた人の場合、NPCに鑑定品が流れてしまうとスキル上げができません。
そのため、R1鑑定品は無料で鑑定するサービスが行われることもありました。

このような構図から、「未鑑定品R×30G」という構図が1つ定着することになります。
しかし高Rになると鑑定品の成功率が下がるため、「未鑑定品R×30G」だと赤字になることがあります。
そのため高Rになると「未鑑定品R×40G」や「未鑑定品R×50G」といった価格体系になることもありました。
このメリットとしては、鑑定を始めた人にお客が流れやすくなり、新規の鑑定士さんが露店で育っていきやすい構造になっています。
高Rは高Rで需要がある(例:炎の洞窟産の宝石)ので、鑑定Rに差があってお客が均等になりやすくなっていました。

また、大量にお客を裁いていたり、大量にアイテムを処理していると計算が面倒になります。
例えば、未鑑定品を13個相手にしているとしてR3が4個、R5が5個、R8が4個の場合だと、
4個(R3×50G)+5個(R5×50G)+4個(R8×50G)=600G+1250G+1600G=3450G
このような計算を相互に確認するのは結構面倒な作業で、特に人が並んでいる場合だと計算や確認している時間も惜しく感じられます。
そのため、床に鑑定の露店主が「お気持ち入れ」というペットを置くことがありました。
この代金にだいたいの鑑定金額をいれてくれということで、大量のお客さんを捌くための1つの処置となります。
これが上手く機能していたかというと、クロスゲートの場合だとそれが成立するような治安の良さを誇る稀有なゲームだったのでそれで成り立つことができました。
(※尚、防具修理職人や武器修理職人での露店も上記と同じ展開になっています)

鑑定士の職業的な相性

盗賊でモンスター相手に盗みを繰り返していると、未鑑定品が大量に手に入り、
内容としてはプロフィールカードや、封印カードが主となります。
そのため、プロフィールカードを鑑定してNPC売りをすると、自主完結した金策の手段を構築することができます。
クロスゲートの知恵袋 モンスカード ランク別

ときおり手に入るレア盗品も未鑑定品なので、職業的な相性として「鑑定士」と「盗賊」のペアは鉄板なものがあります。
プロフィールの提供先としては「封印術士」さんが主になるので、「鑑定士」「盗賊」「封印術士」の3者構造は大きな結びつきとなっていました。

また職業的な相性として「調理師」と結びつきが良い場合もありました。
理由としては、生産系の御用達(ランクアップ3)クエストによるもので、
「調理師」が魅惑のメロンパンを用意し、「鑑定士」が次の課題で鑑定するといった内容です。
ランクアップ3(生産系) – CGT付録
御用達品としては魅惑のメロンパンが一番作りやすく、それに付随して鑑定士さんが次の課題で必要になることから、

御用達クエストに関しては「調理師」と「鑑定士」が徴用されることもしばしばありました。

クエストでの鑑定士

生産系として位置づけられている鑑定士なのですが、一部クエストで活躍することもできました。
代表的なクエストが「フォルケン」です。

フォルケン – CGT付録
CG Island -XG(クロスゲート)コンテンツ- クエスト 滅びた村の過去
フォルケンの場合だと、まずモノアイを倒すと手に入る「真眼」がクエストアイテムとして必要となるのですが、
この「真眼」が無くても鑑定士さんが同行していればクエストを進行することができます。

この「生産系がクエストに引っ張り出される構図」なのですが、前作だとちらほら見ることができます。
ある種の既視感があったので思い巡らしてみた結果、次の作品が思い当たりました。

インディ・ジョーンズ シリーズ – Wikipedia
インディアナ・ジョーンズ – Wikipedia

鑑定士の原型は「インディ・ジョーンズ」でほぼ間違いなく、盗賊とは異なる真の「トレジャーハンター」像です。
前作だと生産系の壁が存在したので、クエストが存在しても戦闘面での強化はほぼ絶望的でした。

成立史からして、クロスゲートのサービス開始時期が「2001年7月26日」で、
テレビ番組の「開運!なんでも鑑定団」が「1994年4月19日」なので初期段階はこちらのイメージが近くなります。
開運!なんでも鑑定団 – Wikipeida
しかし後に、ファンタジー作品として「インディ・ジョーンズ」へイメージが接近していくことはほぼ避けられません。
今作だとこの原型に立ち返り、戦闘にも対応できるように諸所にステップアップを踏んでいくことになりました。

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