海外からの接続を防ぐ「IPフィルタリング」と規約の話

一週間前から告知されていた、海外接続を遮断する「IPフィルタリング」。
<[ ニュース ]IPフィルタリング実施のお知らせ>
http://concgate.hangame.co.jp/information.nhn?m=read&gameid=CONC_INFO&docid=118538

>IPフィルタリングは日本国外からのインターネット接続を原則、制限するものです。
>(つまり通常、日本国内のインターネット接続をされている皆さまへの直接的な影響はございません)
>なおこのIPフィルタリング実施により、日本国内からのインターネット接続にも関わらず、
>ブロック(制限)されてしまう可能性が若干ながらございます。

日本国内でもブロックされる可能性があるとのことで、当日は大きな混乱があるのではないかと心配されました。
実際に日本国内からつないでいるにも関わらずブロックされた人がいることにはいます。
<公式掲示板 IPフィルタリングで入れない人って>
http://concgate.hangame.co.jp/community.nhn?m=read&view=&bbsid=11&bbstype=free&page=1&docid=119173&direction=0&orgDocid=0&titletxt=&contenttxt=&doccatecode=

しかし公式掲示板を見る限り、国内でIPフィルタリングにひっかかって入れないとの報告はあまりでていません。
心配されていたほどの大規模な混乱は生じていないようです。

一応、名目としては「コンチェルトゲートではお客様へ向け、より良いサービスの実現をめざ」すとのこと。

…まぁそんなところでしょうねぇ。
一部のプレイヤーでは規約違反による海外接続を排除する動きがありましたが、運営にとって規約を前面に出せない規約上の問題があります。

海外接続を禁止する条項がコレ。
>『コンチェルトゲート』 利用規約
>4. 会員の責任
>  7.会員は、本サービスにおいて次に該当する行為を行ってはならないものとします。
>   ・日本国外に設置されたインターネット端末機器または通信回線設備からのインターネット接続により本サービスを利用する行為。

しかし、これを打ち消す運営ポリシーが存在します。
>『コンチェルトゲート』 運営ポリシー
>3.禁止事項
>3.1迷惑行為について
>   1.民族・人種・身体・宗教などに関する差別的内容。

単純な表現の問題ですが「海外接続者の接続を遮断してほしい」とは言えても、
「中国からの接続を遮断してほしい」というと、
「1.民族・人種・身体・宗教などに関する差別的内容 」に該当して処罰対象になるような状態でした。

また「中華(海外接続者)は業者(=Gold Farmer)で、RMTをするためにプレイしている」と主張する人も絶えませんでしたが、それも今は昔の話。
現在では中国国内でRMTを禁止する法整備ができています。
<中国情報局NEWS バーチャルマネーの法整備着々、人民銀が管理責任>
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=0316&f=it_0316_002.shtml

現実問題として、規約違反でIPフィルタリングを実行したというよりも、運営側が外国人プレイヤーをサポートできないというのが一番の理由でないでしょうか?
ゲーム内の言語のほとんどは日本語。
スタッフも外国語に堪能な人材を確保するには、それなりの労力とコストがかかってしまいます。

一般的に海外接続を禁止にする最大の理由は「責任を問うことが難しくなる」から。
ゲーム内を超える問題が発生し、ゲーム外へ飛び火するような事態になって、運営側から実効的な対策を練られないとなると、IPフィルタリングをかけざるをえなくなってしまいます。

それだと開始当初からIPフィルタリングをかければよかったという話になるのですが、CGはスクウェアエニックスで初めてのアイテム課金。
実験的な試みも多数行われているので、インターネットの1つの可能性としてプレイヤー間でうまくやれるかどう様子を見られていたんでしょうねぇ。

利用規約と運営ポリシーがバッティングしている問題のほかに、あまり規約を前に出してしまうとファンサイトリンクに支障がでる恐れがありました。

一番顕著なのが、「 コンチェルトゲート Wiki*」。
現在CGにおいて最大の情報サイトですが、
>『コンチェルトゲート』 ファンサイトリンク利用規約
>1. ファンサイトの定義
>(3) 個人が運営しているサイト。
これにひっかかってしまう可能性があります。
(*管理人さんが個人サイトにしたくないと書き込みしていた経緯はあるものの、wikiの肝心な管理を個人で行っているので問題にはならないはず)

そもそもコンチェルトゲートの規約が、広い範囲をとりあえずグレーにかける手法をとっています。
例えば運営ポリシーですが、
>『コンチェルトゲート』 運営ポリシー
>3.禁止事項
> 3.3不正行為について
>  外部ツールを使用するなどして、自己や他のお客様のゲームプレイを有利または不利に進めたり、ゲーム内キャラクターなどのゲームデータを改変したりする行為。
この外部ツールの定義が広すぎるため、外部ツール=「電卓」でも当てはまります。
露店をしていて価格を試算するために「電卓」で計算すると、電卓を利用していない人と比べて有利になるので不正行為に該当する、という主張を展開できます。

常識的に考えて極端だと思いますし、不正行為に該当するというのも馬鹿らしい話ですが、
実際ゴルフゲームのパンヤだと「計算機」を「対戦中での利用はマナー違反/利用禁止」ということになっているそうです。
「コンピュータ」が「プログラムに従って演算を行う機械」であることを考えると、ここで電卓が当てはまってしまうのしょうがないことになります。
(*当然、CGのプレイで電卓やマウス・キーボードを利用してもなんら問題ありません。)

本来なら規約違反な場合でも許容された例として、「(もっと)×2コンチェルト!」さんにて壁紙の募集も、運営からOKをもらえました。
グレーの時点では規約問題にならず、運営の裁量に委ねられる良い見本といったところでしょう。

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海外からの接続を防ぐ「IPフィルタリング」と規約の話 への2件のフィードバック

  1. うさぎ紳士 のコメント:

    今回のIPフィルタリングはまさにその例でしょうねぇ。

  2. 紺野 のコメント:

    逆に言えば、運営が気に入らない人には
    幾らでも問題にする事ができちゃったりして(/-\)

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