前作の魔術師は最強職だったか?

前作において最強の職業とは何か?
ボス戦ならば近接三職、ダメージなら戦斧闘士、バランスの点を踏まえるなら剣士、騎士。
稼ぎならば強職が挙げられ、その中で抜群のコストパフォーマンスを誇る弓術士も候補に。
本当にペットゲームだと思うなら、最強職は調教術師という結論になる人もいることでしょう。

では、真の意味での最強職とはどの職業なのか、場面を絞ってみることにします。
経験値稼ぎとボス戦では、圧倒的に経験値稼ぎに通う比率が高くなっています。
そのため経験値稼ぎに優れた職業が、この記事内では最強職であると定義しましょう。
さらにコストパフォーマンスを度外視して、稼ぎで最大のダメージが狙える職業となると、最強職として導き出せる答えが「魔術師」です。

ダメージが素通りする属性魔法

以前、前作の近接3職は、なぜ強すぎると言われたのかで、近接が強いと思われた理由はアメジスト装備の近接スキルで大ダメージが出たからではないかとの指摘がありました。
実際に近接装備では大まかに、アメジスト装備でATKを補強する装備や、ソグディナイト装備でAVDを補強する装備が存在しています。
しかし「単体ダメージで近接の攻撃が強い」と言えない実体験があったのです。

私の場合、剣士と魔術師のキャラをもっていました。
アッカス護衛中に、途中で影モンスターが出てきたので、剣士はR10迅速果断を使用し、魔術師は単魔を唱えました。
恐ろしいことに最大ダメージを狙えるはずの迅速果断と、単魔が同程度のダメージになりました。
相手が純属性ということもあったのですが、物理ダメージだと、後半では敵モンスターのDEFの高さがダメージ上昇の障害となってきます。
一方で魔法ダメージだと、モンスター相手の魔法攻撃ならMND差くらいしか障害がない(野生でMNDが伸びてる個体があまり存在しない)ので、魔法ダメージは素通りだったという背景もあります。
魔術-XG資料館-PochiLong
後に、重装備品にRSS(魔法抵抗力)が追加されたり、今作でMGAとMGDが分離したりしています。

稼ぎにおいての魔法のスキル上げ

前作での魔術師さんと話してみると、魔法のスキル上げが大変という意見はよく聞きました。
魔法攻撃のダメージは、スキルRankと直結しています。
近接攻撃のように通常攻撃ではダメージが出ないので、その当りを気にする人が多かったようです。
専門スキルとはいえ、10個あるスキルスロット欄全部のスキル上げをしなければいけないと思うと確かに負担に感じることでしょう。

しかし、実際に魔術師で活動し、魔法ダメージを見て、ひょっとして稼ぎにおいて魔術師はスキル上げは必要ないのではないかと思い立つようになりました。
Rank1~3の間は、すぐにスキルが上がるので除外するとします。
Rank4~5の間で、一般的に求められる総ダメージ量になります。
Rank6~7になると、範囲ダメージでも頼りになるクラスになります。
Rank8以上になると、通常の稼ぎにおいて強職の間でもトップに君臨します。

つまり、Rank4~5まで上がれば、後は冒険の中で自動的にスキルが上がっていくので、職業別で見るならばスキル上げは必要がないといっていいくらいの強さでした。
その上、LPやFPが減少するとその分早く動ける「ドライブ」という現象が発生し、通常速度の魔術師ならほぼ最速で魔法を打てる機会が多かったのです。

また、杖にADMという数値が設定され、一定のADMを満たすと魔法ダメージが最大1.5倍になる仕様が存在していました。
R6魔杖を例に挙げると、R6のADM最高値ならばR6攻撃魔法で最大ダメージ(1.5倍)が出るという仕様です。
つまりR7杖を装備していれば、どんな駄作の杖でもR6以下の攻撃魔法で最大ダメージが出ることになっていました。
これがうまい具合に回っており、クレリックならば属性攻撃魔法がR6(R7)までしか使えないので、杖のR6(R7)以上ならば殴り杖の方がATKがある分、お得になります。
逆にR10魔杖のADM最高値では、すごい高値がつくことがあったことを憶えています。

攻撃魔法 = 上限ダメージ

前作の場合、物理攻撃には存在しなかったのですが、魔法攻撃にはダメージの上限が存在します。
例えばRank6魔法ならば、MND222を上限値として、それ以上上げてもダメージが伸びないといったことがありました。
(*MND差やRSSなどの魔法防御を除く)
そのため、一定水準のMNDが確保できたのなら、QUIやVTLに振ったほうがお得な状態に。

過去に、逆襲牛相手にどれだけダメージが出せるかのコンテストがあり、THG魔とQUI魔が参加。
どちらもMNDを可能な限り高めて挑戦したのですが、T魔の方がMNDが上にも関わらず、Q魔の方がダメージが上という結果になったことがあります。
リタイア。 - うんず愛の劇場
カラクリとしては、どちらも魔法のダメージの上限値に達しており、95%~105%のダメージ幅でT魔の方がQ魔に負けてしまったというものです。

魔術師の脆い一面

ここまで読むと、弓術士という職業が霞んで見える人もいると思いますが、攻撃魔法にはいくつもの弱点が存在します。

  • 高コスト

前作でのNPC看護婦での回復は、基本で「減少FP分の値 = Gold」だったので、FPが100減少していたら100Gold必要です。
後半になるとFP量が3000以上超えることもあったので、熟練看護婦という杖職向けの割引処置が必要でした。
看護婦-XG資料館-PochiLong
高Rank食料の買い手も杖職だったので、杖職という職業は戦闘毎に高い出費を強いられる職業でした。

  • 貧弱な物理攻撃

前作では、STRに振るとMNDが下がってしまったので、魔術師ならばSTRに振ることはしません。
その結果、ボス戦や連携牛では、Lv差によるクリティカルでも出さない限りまともなダメージが出ないのです。
通常の稼ぎ場では引く手数多の魔術師でも、ボス戦や連携牛ではお断りされてしまう場面もありました。
そのため、連携はやめてスキルで牛を倒そうとする「スキル牛」という稼ぎも存在したのですが、消費が激しすぎるので魔術師しか成り立たたず、募集でお目にかかることはあまりありませんでした。

仮に魔術師の魔法スキルが連携に参加できたのなら、魔術師の最強度に歯止めが利かない状態になっていたことでしょう。
弓術士が最強職であるとの評価は、範囲攻撃やコストパフォーマンスの他に、オールラウンドに活躍できることにも起因しているわけです。

  • 魔法無効に弱い

魔法攻撃は基本的に回避不可能の単発攻撃なのですが、高いダメージが仇となって魔法バリアが逆に脅威になります。
魔法吸収、魔法反射、魔法無効の中で、一番厄介なのが魔法無効。
魔法無効は、効果時間内に魔法攻撃のダメージを2回無効にする特性をもっていました。
単体・範囲・全体という括りはあれどもどれも「単発」のダメージなので、ペットの魔法を重ねてもダメージが通らないといった状況が発生。
デュエルでは、魔法無効の使い手にかなりの不利を強いられることになりました。

  • 魔法封印の存在

一定時間、その場にいる全員の魔法が一切使用できなくなる「魔法封印」を使ってくるボスが存在しました。

有名どころでは、開きボスやバルケスがそれに当ります。
魔法が一切使えず物理攻撃をするとカウンターで返り討ちにあう可能性が高いので、その間は静観するか、薬を投げるくらいしか選択肢がありません。

  • 高MNDのボスの存在

あまりにもボスのMNDが高すぎて、まともに魔法ダメージが通らなかったボスが存在しました。

ルビが代表格なのですが、ボスだとたいていが高MNDだったので、魔術師は「ボス戦だとあまり活躍できない職業」というような特徴付けになっていました。
この辺りは、MNDの極限を目指したT魔の活躍場面でもあります。
PUK2~3のボスではMNDはそれほど高くなく、ボス戦でもダメージが素通りするケースもしばしば。

  • R10装備までに避け装備が存在しなかった

杖職は、R11装備の登場によってやっとマトモな避け装備が登場します。
それまでは、ボス戦において護衛モンスでないと成り立たたず、杖職は護衛モンスを持つことが必須に近い扱いでした。
テイムも調教術師ほど伸びないため護衛を拒否することがあり、護衛しそこねたキャラクターがボスの強力な一撃を避けられず離陸してしまうシーンもしばしば。
これに限っては、LPが低めキャラクター全般に当てはまるのですが、杖職はVTLを伸ばすとMNDが下がってしまう都合上、それほどVTLを伸ばしたくない事情も存在していました。

ドレインと低下するRCV

最初ドレインという魔法が強すぎるとの紹介を受けます。
ドレインは、攻撃と同時にダメージの半分自キャラのHPが回復するという特殊な攻撃魔法です。
ドレイン-スキル-XG資料館-PochiLong
通常の単体魔法ほどダメージ量ではないものの、プレイヤーが攻撃と同時に回復ができるとなると強すぎるように感じました。
しかし、この点については問題にならなかった特別な事情があります。

魔術師とBP構成として、ひとまずMNDを確保したいと考えます。
VTL,STR,QUIはMNDが下がる構造があります。
TGHはMGCが微増で、MGCが大幅に増加。
VTLはボス戦でも必要なものの、VSTQMのうち一番MNDが下がってしまうので、それほど振ることができません。
STRは魔法性能に関係がない上にMNDが下がってしまうので、基本はSTRは0に。
敵よりも早く動きたいので、一定以上のQUIは保ちたいとします。
TGHはMNDが微増するもののイメージが悪いので好みに任せるとして、魔術師なのでMGCは全振り。

このような一般的な魔術師のBP構成にした場合、RCVが伸びません。
例えばLv80のプレイヤーキャラで、V=50,S=0,T=0,Q=123,M=173で算出すると、RCVは113程度しか伸びないのです。
■クロスゲート – 仮想ステータス [Human]-
MNDが伸びるTGHに多く振っていると、むしろRCVが100より低下していくケースも出てきます。
RCVは戦闘中でのLP回復比率なので、戦闘中にドレイン以外でまともに回復できなくなる事態も存在したのです。
ZERO。 - うんず愛の劇場

最強職がさらに最強職へ

攻撃魔法の体系は既に完成されており、魔法バリアに弱いという以外にはいじり用がない状態でした。
PUK2で杖職向けのスキルとなると、杖で毒撃が使えるといった程度のもの。
PUK3でのサイブラストも変わった魔法であるものの、属性魔法の方が強い(使い勝手がいい)との評価でした。

その中で魔術師に強い影響を与えたのが「ライド生産」です。
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通常の武器だと、ReBirth作成の方がATKが伸びるので、属性武器とReBirth作成品のどちらかを選ぶか悩むところ。
しかし魔法ダメージだと、必要なMNDさえ確保していれば、MNDを伸ばす必要がありません。
杖は数値争いから外れ、種族属性をダメージ低下の危険が少なく行使することができたのです。
(*R11杖は、避け杖と殴り杖で別れていたので、R11杖はR11杖で需要がありました)

たいてい複数の種族属性が交じり合っているものの、特定の属性しか出なかった稼ぎ場もしばしば存在しました。
そのため範囲攻撃でもトップクラスの魔法ダメージが、種族属性をあわせることにさらにダメージを重ねることができるようになったのです。

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前作の魔術師は最強職だったか? への2件のフィードバック

  1. うさぎ紳士 のコメント:

    虚襲慄心でのフォースカットが通じないリジェ回復のボス(アルカディア戦)のことですね(==;
    魔術師が強いというのは、私も通常の稼ぎに限られてくると思っています。

  2. 紺野 のコメント:

    考え方の違いかもしれませんが、
    魔術師がいると絶対に勝てないボスが存在した時点で、最強とは思えないですねぇ。

    稼ぎでは間違いないと思います。
    それもまぁ…弱者貴族が跋扈していたので
    あまり良い思い出はありません。

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