渡辺Pが目指した「負担の少ない」経験値システムの試行錯誤の軌跡

こちら9月17日(金)のTBSラジオ放送で
ハンゲーム運営時代のプロデューサーである
渡辺範明さんが担当することになり
そちらのゲーム規制の話でリスナーから
大きな共感を得ることになりました。

反響としては、ゲームに依存した状態を
「杖をついて歩いている状態」と形容することにより
『杖が必要な人から杖を奪ったとしても
 自立できるということにはならない』
という指摘が正鵠を射た内容だと話題に。

そちらでコンチェルトゲートの画像を使っていて
どのような意図でコンチェルトゲートの画像を
使っているのか聞いてみた人がおり、
そちらの返答がコチラとなります。

>僕が一番こういうことを考えて作っていた時期のゲームが
>『コンチェルトゲート』だからです!
>(近年主に作っているボードゲームにはあまり依存症は無いので)

クロスゲート、コンチェルトゲート、ドラクエ10を通した依存対策

MMORPGというのは、いわゆる「終わりのない世界」を構築しており、
厳密にいうと「終わりのない世界」なんてありえないわけですが
「MMORPGをなぜ遊ばないのか?」とアンケートをとると
「ゲームとして終わりがなく、延々と遊び続けることになるから」
という回答が1つの定番の受け答えにもなっています。

  • 「バーストタイム」システムの導入。ドラクエ10の元気玉システムへ

ゲームとして話すと、人によっては
1日2時間遊べる人もいれば
1日6時間12時間くらい遊べる人もおり
1つのゲームに関わるプレイ時間は千差万別です。

しかし、ゲーム内だと2時間遊んでいる人と
6~12時間遊んでいる人だと
どう足掻いても、明確に有利差として出てくることになり
この辺はリアルの受験対策で
1日〇時間勉強した場合、
合算して月△△時間勉強したことなって
他の長く勉強している人とこれだけ勉強時間の差が出てくる
といった論法形式の差が出てくることなるわけです。

そこで採られた対策としては「バーストタイム」システムで
1日1時間バーストタイムがたまり、
バーストタイムを利用すれば獲得経験値が2倍になる
という経験値獲得構造にした結果、
いわゆる経験値稼ぎの時間はバーストタイム内のみとなり
「まったり」「のんびり」とした世界観の構成に成功しました。

これによって「負担の少ないゲームへの参加」が
全体的な傾向として反映されることになり、
ドラゴンクエスト10でも「ログインしていない時間」を
「元気チャージ」として反映され
遊んでいない時間分、元気チャージがたまっていって
実際に遊んでいる時間に、獲得経験値(ゴールド)が倍化する
「元気玉」システムとして採用されることにもなっています。

ちなみに元気玉が1個(元気チャージ22時間分)につき
効果時間が30分に限られているのは
準備時間をトータルとして含めての
1時間を強く意識しての設定のようにも感じられるところ。

  • コンチェルトゲートで採用されたレベルキャップの導入

クロスゲートだとバーストタイムの導入で
「まったり」「のんびり」した世界観を構築したものの、
レベルというのは決定的な強さの差であるため
バーストタイム外でも稼ぎ続けたり
バースト時間を補充するアイテムが出てくると
そちらを取引で獲得して手に入れて延々と稼ぎ続けるケースもあり
いわばレベル上げの競争状態で、エンドレスに
レベルを上げ続ける必要を迫られる人たちも出てきます。

コンチェルトゲートだと課金システムで
バーストタイムの補充アイテムである
「竜の砂」を売り出している一方で、
レベルキャップシステムを導入することになり
最初だとLv30でレベルキャップが導入されることになり
当時最先端の稼ぎ場だったのが「ゴブリンの穴」となっていました。

後にレベルキャップも段階的に解放されることになり、
Lv30→Lv35→Lv40→Lv45→…
というようにLv5単位で上限が解放になりました。
クエスト/キラーハナアルキ – コンチェルトゲート フォルテ Wikiクエスト/密に狩る者 – コンチェルトゲート フォルテ Wiki
クエスト/遺跡の蜃気楼 – コンチェルトゲート フォルテ Wikiクエスト/海神の波 – コンチェルトゲート フォルテ Wiki
クエスト/デンジャラスラボ – コンチェルトゲート フォルテ Wikiクエスト/坑道に眠るもの – コンチェルトゲート フォルテ Wiki

ただ、コンチェルトゲートの場合だと
レベルが上がりやすすぎる嫌いは出ていて
例えばLv30キャップまでの「ゴブリンの穴」稼ぎ時代だと
「1週間でカンストできてしまう」という
プレイヤー投稿が実際に存在していた時代にもなっていました。

そこで色んなシステムが追加されることになり
例えばA地域(ファンブルグ)とB地域(シルト)で
それぞれレベルが異なる
「エリア別経験値システム」が導入されたのですが、
システムとしてあまり好評なものとはなっておらず
運営移管後のゲームポット時代だと
「エリア別経験値システム」は廃止となって
今のドラクエ10の体系に近い
職業毎の経験値システムへ変貌しており、
渡辺Pが担当していた時代だと
まさに試行錯誤の軌跡だったと言えます。

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渡辺Pが目指した「負担の少ない」経験値システムの試行錯誤の軌跡 への2件のフィードバック

  1. うさぎ紳士 のコメント:

    実際にゲームが問題になるケースもあれば、
    ゲームで命をつないでいたみたいなケースもあるんで
    良いところも悪いところもあるってのが本質なんだと思います。
    最近だとコロナ禍での自宅待機のお供として大活躍だったので
    時代ごとでの位置づけや評価の側面も大きそうですね。

  2. 紺野 のコメント:

    竜の砂をたくさん購入したり、あえてLV1のままでRUPしたり色々な場所へ連れまわしたりしましたねぇ…。

    皆何かに夢中になっているとは思うのですが、
    お米依存症とか労働中毒とは言われたことがないので
    夢中になっている対象を好む人が多いかどうかの違いでしょうか。

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