前作のクロスゲートの場合、縦2マス横5マスの合計10マスしか存在せず、
それに関してはコンチェルトゲートの旧章でも同じ内容なのですが、
横に対するポジション移動が行えなかったので、そもそも陣形そのものの概念が乏しくなっていました。
そのシステムの中でクロスゲートでは数少ないながらも陣形が存在し、その代表格となる陣形が「W陣」です。
「W陣」が広まった背景
「フリアボロス」のクエストが実装され、開始条件がランクアップ3(王宮もしくは熟練)以上。
ストーリーとしては、総大司教ブルメイルの話では「悪しき力」によって閉ざされているクロスゲートを、
「閉ざされた祭壇」を破壊し、更にその奥に存在するクロスゲートを解放するように頼まれるといった内容。
CG Island クエスト フリアボロス
「閉ざされた祭壇」での依代戦や、過去に稼ぎ場として使われた「氷の洞窟」を抜け、
迷路となっている松明を灯して進行する「氷雪の牢城」の途中にはルビが存在し、
この中ボス扱いのルビを倒すと「氷の約束」を手に入れることができます。
「氷の約束」は、使用するとルビ撃破後の「氷雪の牢城」にワープできるので、
一度クエストを中断してまた後日挑戦しにいったり、クエスト攻略失敗の保険アイテムとして用いるアイテムです。
CG Island クエスト 極寒のゲート 依代戦
この「氷雪の牢城」を更に進んでいくと、浅域から神域への扉となるクロスゲートの元へ到達することができます。
そのクロスゲート前には「フリアボロス」が存在し、当時としては屈指の強敵として立ち塞がることになりました。
フリアボロス戦の特色はというと、まずは戦闘中の猛攻に耐えることが求められます。
フリアボロス戦は、フリアボロス(無属性)、シェイド(風)、シャドウ(火)、トゥーンシェイド(水)、デコイ(地)の5体が登場。
全員が2回行動なので、実質的には10匹を相手にしているのと等値の戦闘になります。
まともに戦うとフリアボロスと影モンスターの4匹は、範囲魔法と全体魔法を頻繁に使用してくることから、
まず回復が間に合わず、そのままの火力で押し切られて敗退することになります。
薬での回復だと1ターンに1回しか使えないため、ペットを回復するかプレイヤーキャラを回復するかを迫られることなり、
どちらかを回復しようとすると、どちらかの回復が間に合わなくなるといった事態に陥ることから、
その対策として「クレリックを2キャラ用意して、ヒーリア(全体回復)を連打をして倒すボスなのではないか」と言われることになりました。
全体回復魔法としてリジュネア(全体回復)も大きな回復手段なのですが、フリアボロス戦ではリジェ系を使うと「範囲即死魔法」を使用してくるようになります。
そのためこの「範囲即死魔法」を脅威と感じることから、フリアボロス戦は「リジェ系の使用は禁止」とあらかじめ指示されることもありました。
(※リジェ使用に関しては範囲即死魔法が確率での気絶なので、ややバクチがかかるものの範囲即死魔法を打たせる目的でリジェを使用する場合もあり)
CG Island クエスト フリアボロス ルビ戦・フリアボロス戦
内容が内容であるため、当時倒せる人が少なかったと思われるボス戦なのですが、
そのままの真っ向勝負では倒せないボスに対して編み出された戦術が「W陣」になります。
この陣形とクロスゲートの仕様を用いて、魔法攻撃対策と物理攻撃対策の両方をこなすことに成功した防御陣になりました。
「W陣」の効果
前作のクロスゲートだと前作特有の仕様が幾つか存在し、
「対象が存在しない箇所に、攻撃やスキル選択ができない」といったものがあります。
これは範囲魔法や全体魔法でも一緒で、敵モンスターでも同じ仕様です。
そのため、範囲魔法攻撃対策にペットを引っ込めて「W字」(もしくは「M字」)に配置すると、
範囲攻撃が実質単魔と同じ効果範囲にしか及ぼさず、ダメージは範囲攻撃1発に抑えることに成功し、
全体魔法も全員で5人しか存在しないため、総ダメージ効果としては半減になります。
物理攻撃対策として用いられるのは幾つか方針があって、3つほど紹介してみると、
1つは、1行動目はスキル攻撃で2行動目は通常攻撃、
もしくは1行動目は通常攻撃で、2行動目スキル攻撃といった具合です。
前作だと通常攻撃も強力だった都合から、連携でのダメージも見込んで物理職だと攻撃に専念することがありました。
前作の場合では高Rでは「回避装備」が強力だったため、回避すると実質的に物理ダメージが無効化されます。
そのため、回避(回復)できないペットを連れているよりは、
ボス戦では回避で物理ダメージを無効化する単機の方が有効に動けるため、
回避装備を着込んだ近接職が強すぎるといわれる1つの評価の根本となる箇所です。
(※後に生産職以外の全職業がランクアップ4を経て回避装備の世界に参入可能に)
攻撃を受けてLPが減少した場合は、1行動目は自薬、2行動目は攻撃というように切り替え、
LPが減少するとドライブ減少によりPT中ほぼ最速で回復できたので、かなり安定する行動となります。
またリヴァイヴを使う場合にも、クレリックがヒーリアの使用で手が離せない場合だと、
単機によって2行動が行えるプレイヤーが低Rリヴァイヴ用いる場合があって、
比較的に攻撃が穏やかな2行動目にR1~2リヴァイヴを使用するといった(比較的に)安全に蘇生するための手法も存在しています。
この場合あと、1行動目通常攻撃で、2行動目スキル使用となるのですが、
スキル「戒驕戒躁」がターン最後に攻撃といった仕様なので、
「戒驕戒躁」を含めて考えると1行動目通常攻撃、2行動目スキル攻撃の方を優先的に採用することもありました。
また、精霊の卵を使ってReBrith無敵や性能向上により近接と遜色なく行動することも可能なので、
ペットの数を減らしている分、被弾の可能性も増加するためReBrith使用との相性も良くなる陣形でもありました。
2つは、1行動目はスキルを用いて、2行動目はガードするといったもの。
杖職でも単機の場合があったのですが、ガードの仕様として、
「防御は物理ダメージを10%、20%、30%、40%、50%、もしくは1ダメージに軽減する。 」
といった仕様が存在します。
戦闘基礎-XG資料館-PochiLong
つまり、物理攻撃に対しては平均4分の1ほどダメージを減少することが可能となり、
物理攻撃に対するLPの割合が4倍ほど増加することになります。
このことから杖職のLPやDEFが低めでも、単機でのガードが有効な戦術となり、
低Lvでフリアボロスに参加しているキャラも、
1行動目スキル攻撃で2行動目ガードでやり過ごすといったこともよく見られる基本的な対策になっています。
(※それも無理な場合は1行動目ガード2行動目もガード、
もしくは味方に攻撃してもらって戦闘の最初の方で気絶させるといった対策もありました)
この場合は、基本的にボスモンスターが崩撃を用いないのが前提となる話で、
前作の崩撃のダメージだとR10で通常攻撃の4倍ほどダメージが加わることから、
W陣でガードを採用するかどうか決める場合には、相手が崩撃を使ってくるかどうかが判断の分かれ目となります。
崩撃-スキル-XG資料館-PochiLong
3つは、基本的にW陣を採用しつつ、ペットを出して対応するといった手法も存在しています。
基本的に敵モンスターは、範囲魔法といえどもにしかランダムにしか打ってきません。
一方で、こちらは効果的に範囲を指定することができることから、
このような陣形を組むケースもありました。
中央の後ろに範囲攻撃を打ち込まれると4体同時に攻撃されてしまう弱点はあるものの、
確率として6分の1で、中央の場合は味方のヒーリス(範囲回復)に関しては常に狙えるものになっています。
他にも杖職が多い場合だと、
このような陣形を組まれることがあって、
相手が崩激を打ってきてガードできない強敵の場合だと実際このような陣形が組まれることもありました。
W陣の弱点
W陣にはある種決定的ともいえる弱点が存在し、
その1つが「単機のキャラが無力化されると、単機で動いている分、割合としては1度に2体分動けなくなる」というもの。
フリアボロス戦の次のクエストであるアッカス戦では、
アッカスは暗殺(一撃死)を使うことがあるので、
アッカスが暗殺を連打するとこのような悲惨な状況に陥ることもありました。
CG Island クエスト アッカス アッカス戦
W陣で2人倒れると合計4体が倒れた効果になると判断することもできますし、
5人中2人倒れているので既に半壊状態だと判断することもできます。
特にランダムで1点に攻撃が集中すると陥りやすく、気絶すると瓦解しやすい陣形という特徴も備えているように思えます。
これと同じ理屈で、単機で状態異常で無力化されることになると、
行動回数分早く状態異常から回復することができるという利点があるものの、
逆に毒や酩酊を食らうと、より早く毒ダメージや酔いダメージが回ることにもなります。
あとは配置ミスでW字になってない場合もあるので、その場合の影響も大きくなるといった特徴もあります。
あとバロス戦だと状態異常を使ってくるボスなので、
混乱で強制的にポジション移動を使わされてランダムな「陣形崩し」もされています。
CG Island クエスト リヴェリス バロス戦
敵側がW陣を敷いてくる場合もあったものの、ボス戦では1体1体削っていくのがセオリーなので、特にWになっていても問題になりづらい要素になっていました。
コンチェルトゲートのW陣
前作と今作で仕様が違うため内容が異なるのですが、
敵モンスターがW字に配置されていると、前作のプレイヤーとしては「W陣を組んでいる」と懐かしむことがあったり、
激震蟹での気功弾誘導目的で
このような「W陣」を組まれることあって、結果的に内容を変えて脈々と受け継がれることになりました。