楯無セットについて

今回は不思議な宝箱Vol.10で出た、楯無セットの話です。
課金オシャレ装備色一覧/ふしぎな宝箱 Vol.10 – コンチェルトゲート Wiki*
「楯無」の説明は「伝説の大鎧。現存していることが奇跡である。」
「将軍の飾り兜」の説明は「将軍がその権力を誇示するために作った兜。実用性はない。」
「必勝の軍配」の説明は「この軍配を持った軍師は必ず勝利したという。」
「天狗の盾」の説明は「雷を操る天狗を模して作られた盾。」
「疾風の脚袢」の説明は「殆ど重さを感じない、強靭な脚袢。」

<楯無>

「楯無」は、「甲斐国守護家である甲斐源氏武田氏」の家宝
楯無 – Wikipedia
「小桜韋威鎧(兜、大袖付)」(こざくらがわおどしよろい かぶと、おおそでつき)」として国宝として指定もされ、菅田天神社に所蔵されています。
小桜韋威鎧 兜 大袖付(楯無鎧)/富士の国やまなし観光ネット
菅田天神社 – Wikipedia

ネット上でも画像が公開されています。
甲州市 塩山・菅田天神社
甲州市の画像だと小さいので、こちらだと大きな画像が出ています。
武田調略隊がゆく(トップページ)
武田調略隊がゆく 菅田天神社

甲州市って?(‘_’?)”(トップページ)
塩山十名所(山梨県)

ゲーム上では赤をあしらってなっていますが、「武田調略隊がゆく」さんの画像を見る限り、現物は緑色のようです。
「甲州市って?(‘_’?)」さんの画像をみると赤く見えるので、「武田=赤」のイメージがどこかしらにあるのかもしれません。

<将軍の飾り兜>

鎧は「武田」に関わる鎧なのですが、兜は「豊臣秀吉」の「馬藺(ばりん)の兜」をモチーフにしているように思えます。

「馬藺の兜」は豊臣秀吉が実際に被った兜で、東京国立博物館に所蔵されています。
一の谷馬藺兜 – 東京国立博物館
こちらだと「一の谷馬藺兜」。
大阪城で試着できる復元品の説明だと、「菖蒲(しょうぶ)の一種である馬藺(ばりん)の葉29枚をかたちどって装飾」とあります。
大阪城天守閣【試着体験】
こちらだと「馬藺後立付兜(ばりんうしろだてつきかぶと)」

馬藺の形状はこちら。
oNLINE植物アルバム ~ ネジアヤメ ~
なぜ菖蒲の一種である馬藺をかたどっているのかというと、菖蒲は「尚武」や「勝負」に音が通じるため。
ショウブ – Wikipedia
中には、菖蒲の革を甲冑に張ることもあったようです。
【楽天市場】■■■端午の節句のお話■■■:鎧兜甲冑工房丸武産業

兜の由縁としては馬藺の例が挙げられていますが、実際は「仏像の光景」の類似性を指摘する人もいます。
仏像は如来を象る物があり、如来には「身体から四方各一丈の光明を放っている」という「丈光相」があります。
三十二相八十種好 – Wikipedia(*15相目)
「馬藺の兜」の後付の装飾は、その光景の「放射光」に似ているのです。
仏像世界/基本形

<必勝の軍配>

軍配に関しては「うちわ」の歴史でもあります。
うちわ – Wikipedia
S E N G O K U – E X P O WEB MAGAZINE vol.017「岐阜うちわ」
「部下の指揮をとるのにうちわを使うことが流行」したのがきっかけ。
ゲーム内の軍配画像に「丸と三日月」のマークがありますが、丸が日、三日月が月というように「日月星辰」を表すようです。

大相撲でも振るわれている軍配うちわが使われています。
大相撲コラム集(大相撲あんなこと・こんなこと) 代々の庄之助だけに受け継がれてきたゆずり団扇

問題は「必勝」なのですが、結論から言うと、日本の風土だと必勝を祈願することはあれ、必勝は体現し得ません。
例えば、海外だと「絶対的なものから授かった剣は、絶対的に勝利する」「勝利を約束された剣だったが、勝利を手放しても欲しいものがある」などといった使われ方があります。
一方日本だと、「諸行無常 – Wikipedia」の観念が支配的であったため、必勝という伝説が成り立ちにくい事情がありました。

(追記:一応、「一度として敗れたことのない武将」は存在しているようです。)
吉川元春 – Wikipedia

<天狗の盾>

天狗の説明に関してはこちら。
天狗 – Wikipedia
有名な天狗についての記述。
f-anecs 天狗
ここが一番まとまっています。
胡蝶の見果てぬ夢 天狗覚書

雷との関連性は、
天狗山雷電神社(栃木県下野市)関東神社めぐり プチ神楽殿
天狗山雷電神社
「天狗=雷神様」として捕らえる地方もあります。
設定としてはこちらの天狗が一番近いでしょう。
画像に一番近い天狗と思われるのが「高尾山天狗」。
高尾山情報はおまかせ「高尾通信」 高尾山天狗伝説を追う

<疾風の脚絆>

「疾風の脚絆」については、おそらく元ネタはありません。
脚絆 – Wikipedia

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